アメリカノースウエスト低影響開発レポート2009

ポートランドダウンタウン劇場よこのレメデーション

視察を終えて

アメリカノースウエスト低影響開発視察の旅を終えて感じた事。

日本でも言える事だが、都市部への人口集中と無計画な開発のために水源の枯渇、公害、都市型洪水
など様々な問題が起こっている。これらを解消するために低影響開発(L.I.D)は画期的で合理的なものだ
と思う。計画の段階で、敷地の雨水を水源と捉え雨水流出をコントロールし、生態系を使った浄化作用
の環境修復プログラムを盛り込むのである。これは最新技術と言う訳ではなく、開発前の土地の水脈
や生態系に似た環境に修復し、水、空気、土壌を綺麗にすると言う既知の技術の組み合わせで出来ている。
工法事体シンプルなもので従来の雨水処理設備に対してコストは低く特別な浄化処理施設も必要としない。
雨水収集、水質浄化、地下水涵養、流出速度抑制を自然に模して処理してしまうのである。

アメリカ国内では老朽化した雨水排水設備を改修しているが、莫大な費用と時間がかかっているが未だに
完成していない。完成不能とまで言われている。EPA発表のL.I.D経済メリットはケースにもよるが最大で80%
のコスト削減を果たし、全米各地にL.I.Dが広まりつつあり街路樹の緑地帯を低湿地に改修する工事が進んでいる。
日本の緑地帯はGLより一段あがった様な所が多い。道路の熱と植栽基盤の貧弱さで夏場はいくら灌水を
しても水切れを起こしてしまう。植栽されている樹種も道路と言う過酷な環境に耐えられない浅根の物も数多く
美観を損なっている。シアトル〜ポートランド間 フリーウエイ I-5 の中央分離帯は低湿地になっていた。樹木
は植栽されていなかったがグラスの芝地になっている。基本的に灌水不要の低湿地を日本にも取りいえれるべき
だと思う。

建築は環境に負荷をかけない物にし、屋外は定影響開発で。アメリカの環境に優しい都市計画はここまで進んで
いる。オバマ大統領のグリーンニューディール政策(の内、再生可能なエネルギー使用)以降益々L.I.Dは拡がりを見せていくように思う。 

ポートランドダウンタウンの公園 都市を構成する様々なマテリアル。それは建物であったり
公園であったり。環境に優しいものであったりするけれど、
最終的にはそこに住む人々の気持ちが一番大切なのでは
ないだろうか?互いにコミニュケーションをとり、自分の街を
環境に優しくしようと思う気持ちが低影響開発の更なる発展
をもたらすに違いない。

←ポートランドダウンタウンの公園で水遊びをする子供達

休日と夏休みが重なったのと公園周辺のフリーマーケット開催
で水辺は賑わいを見せている。

最後に、案内をしてくれた小出兼久氏とシアトルでお世話になったGAO氏。また留守中がんばってくれた家族や
スタッフに心から感謝をのべたいと思う。     ありがとうございました!

写真・文    大森 茂昭